はじめに
2025 年 9 月 30 日に株式会社 Keigan は「大阪ヘルスケアパビリオン」内のステージと広場にて、自律移動ロボット(AMR)のキットというコンセプトモデル「AMRKit」(エーエムアールキット)の展示を行いました。

この出展は、けいはんな地区で同時期に行われていた「けいはんな万博」の一貫として、けいはんな地区の他の 4 社と共に、展示及びプレゼンテーションを実施したものです。

プロジェクトのはじまり
今年の 1 月頃に関西文化学術研究都市推進機構のけいはんな万博担当の方から、出展のお話を頂き、「本当に万博で出展するんだろうか」と未だ実感がわかない中、プロジェクトがスタートしました。

まず、社内で「万博に関わってみたい人」を募ることとしました。「万博でロボットを動かしてみたい人」と募集したところ、若手を中心にメンバー5 人が集まりました。

「来場者の方が喜ぶようなものを展示したい」「Keigan ならではのロボットの在り方を表現したい」と考えました。

会議ではいろんな意見が出ましたが、最終的に「AMRKit」(自律移動ロボットキット)という新しいロボット開発のプラットフォームを展示することとして、本プロジェクトを進めることにしました。

KeiganMotorからKeiganALI、そしてAMRKit
弊社の社是「Quick and Easy Robot for Everyone」には「いろんなロボットを素早く作る」、「使いやすい仕組みを作る」といった思いが込められています。

もともと、弊社が販売しているモーターモジュール®KeiganMotorは「いろんなロボットを簡単につくる」ことを目的として作りました。

以来、自動化のために工場で使用されており、大学などでは研究開発用として利用されています。KeiganMotorを買ってくださった方からの「完成品のロボットがほしい」という多数の声に答える形で、AMR(自律移動ロボット)KeiganALI を開発しました。

KeiganALIは2025年現在、日本国内で400台以上を販売し、工場を中心にいろんな所で活躍しています。ロボットの上部をカスタマイズしやすく、またアプリも使いやすいというところが特徴で、工場の自動化などで活躍しています。

今回の「AMRKit」は、KeiganMotor や AMRKit のお客様の話を聞く中で、「もっといろんな人が自由に、簡単に移動ロボットを作ることができれば、我々の今までの技術がより社会に役立つのではないか」という思いで取り組みを始めたものです。

「AMRKit」を展示する、と決めてから、ロボットの外観や展示のシナリオが決まるまでには、想定以上に時間がかかりました。結果的に、人が乗ることが出来る椅子型のロボットにすることにしました。

まず、入社2年目の社員がメカ部分を設計し、8月に入って組立を開始しました。

細かい部分はシニアの社員などがフォローをし、ソフトウエアの開発などは弊社のロボット制御エンジニアが対応しました。
開発の調整は、9月30日本番の前日まで行いました。

いよいよ大阪万博イベント当日
当日、早朝にロボットを受け取った私たちは大阪パビリオン前の広場で試運転しました。

準備万端。

午前中、ステージ展示の邪魔にならないよう配慮しながら、来場者の方にロボットに乗っていただきました。途中、試作品のためモータードライバが故障するも、何とか復旧を行いました。

体験した方にはアンケートにも答えてもらい、どんなところで使いたいかも聞いてみました。

「足腰が弱いので病院で使えるといいんじゃないか」、
「倉庫などで使うと便利」
など、いろんな意見をもらいました。
親子で体験するなど、数十人の方に参加していただきました。

そして、午後16時ごろ、ステージ発表を行いました。
私たちの発表には会社がある京都府精華町の中学生も参加してもらいました。

「どんなロボットがあったらいいと思いますか?」という質問には、
「サッカーの審判をしてくれるロボット」、
「毎朝髪の毛をセットしてくれるロボット」
など、中学生らしい意見があり、私たちも良い刺激になりました。

その日、ロボットは夕方まで活躍しました。

後日談
後日、京都信用金庫様のイベント「EXPO酒場」でもAMRKitの椅子ロボットを展示してほしいという依頼を受け、再度活躍の機会を頂きました。参加者は行政機関や企業が中心でしたが、多種多様なジャンルの方に試乗体験をして頂き、大成功に終わりました。

最後に
今回の私たちのこの取り組みは、今後どのように私たちのサービスやプロダクトにしていくかはまだ決まっていませんが、一般の方々にロボットの可能性を体験して頂けたことは、私たちにとって大きな一歩でした。

今後も、「誰もが使えるロボット」の実現に向けて、挑戦を続けていきます。

今回の取り組みを動画にしたので、ぜひご覧ください。

Keigan AMR-Kit の詳細は 1:58 からご覧いただけます。